29日の審査に向けて仕込中!
45日じっくり熟成された美方郡の上田伸也君の雌のA5イチボは伊豆大島の自然海塩とニンニクスライスで香りをつけたオリーブオイルでローストビーフに!ラムシンをステーキで岩塩で召し上がっていただく予定です。
30日熟成でテストした時は死ぬかと思うほど美味かった(>_<)
45日になるとどうなってしまうんでしょうか(>_<)
旭屋のつるし熟成神戸牛はここが違います!!!説明長いのでご興味のある方だけ読んでね(^_^;)
先日大阪に出向いたときに「パナソニック」のブースでLEDライトを光々と浴びながら栄養分の溶けた水だけで育つ野菜を見学した!
うまい!まずい!は別にして人間がこの世に生まれ、マンモスや動物の猟から始まった食生活が、とうとうここまで来たのか!と何かしら愕然とした。
その昔、大きな動物を捕まえ、家族や仲間と食べても食べきれず腐って大部分を捨ててしまっていたのだろう。
しかし、人間は頭がよかった!肉を塩漬けにし、燻製にし、美味しく長く食べられる技術を発明する。
そして山で捕まえたウサギや鹿などの肉をひんやりとした涼しいが風通しがよく湿度が一定の洞窟に吊るしておくと乾燥も少なく日持ちする事を発見する。
そして何日もたつとそのお肉が柔らかくなり旨味が著しく増していることも分かってきた!
これがエイジング(熟成)の始まりである。
獣臭さを香草やオリーブオイルなど香りの強い調味料でカバーし調理したのがイタリア料理の原点と聞いたことがある。
さらに脂ののっていないジビエを生クリームやバターで補いイタリアンから変化させたのがフランス料理の始まりだったと人から聞きました。
今でもフランス・イタリアのレストランからアメリカのステーキに至るまでこの熟成肉が名だたる
ミシュランの星をもらっているお店では主流なのです。
そもそも食品にとって「熟成」とはどんなことなんでしょうか?
熟成の代表的な商品と言えばチーズ。熟練した職人による選び抜かれた牛乳を使い知識と経験、菌の働きと高度な技術で仕上げることによって素晴らしいチーズが生まれます。
ワインも同じです。葡萄を選び熟練した職人が素晴らしい技術で加工し樽や瓶でじっくり熟成させることに
より旨味と香りが花開き味と風味が濃厚になる。
どちらも熟成師の経験と高度な技術がなければ出来ない素晴らしい商品です。
話を日本に戻します。
明治の神戸港開港とともに当時、使役牛(荷車を引っ張ったり田畑を耕したりしていた牛)をイギリス人が
解体し食べたことが神戸ビーフの始まりで、もともと草食動物の牛に精米した後の米ぬかや稲わらを食べさせていた
ため素晴らしい味になったお肉を「ワンダフル!コウベビーフ!」といって入港してくる外国船が世界中にその名声を
広めたのが神戸ビーフの始まりです。
旭屋も初代がお店を始めた大正時代のころは自転車にリヤカーをつけて加古川を登り東条湖の横を突っ切って三田まで
牛を見に行って生きた牛から枝肉にしてもらい運んでいたそうです。
当時はつぶしたての枝肉も炎天下の中、何時間もかけて自転車で帰ってくるとすぐに食べても美味しかったようです。
熟成肉には温度と湿度、時間が大事なんですね。
昔のお肉屋さんはみんな枝肉仕入れでした。湿度のコントロールされたパイプ式の冷蔵庫で枝肉をしっかり熟成させたもんです。
現在の主流は真空パックの流通でそのお肉は骨付きでしっかり熟成されたものに比べて旨味が明らかに少ないのです。
旭屋がこだわる「熟成肉」は、その原点に返った「枝肉吊るし熟成(一頭まるごと骨付きのまま冷蔵庫で吊るして熟成させる方法)」であり、今はやりのカビだらけにする「ドライエイジング」とはまるで違います。
湿度や温度をしっかり管理していても牛の持っている水分量や性質は1頭1頭くせが違います。肉は自分の持っている酵素で熟成が進みます。しっかりとタンパク質の分子がペプチド結合されているのが時間とともに分解され柔らかくなり、そのうま味成分であるイノシン酸の量が最大になるのが10日から2週間とされていますが個体差により20日から40日まで熟成を引っ張ることもあります。
これをしっかりと見極めて旭屋の神戸ビーフ・但馬牛を最高の状態で召し上がっていただく!
これがチーズやワイン造りと同じ熟練の技を必要とするまさに牛肉の熟成師の仕事であり他にはない味わいを醸し出します。